【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
それは俺だけじゃなくて、皆認めてる。



有ちん先輩がいるから、自分がダメになっても背中を預けられる。



時にガードとして、時にシューターとして、時にディフェンダーとして動ける有ちん先輩が、羨ましくも、妬ましいんだよ。



「有ちん先輩の努力は、才能なんだよ。誰にでも努力は出来るけど、努力で何かを手に入れることが出来るのは、有ちん先輩だけの才能だ」



その言葉に、有ちん先輩はぎり、と強く歯を食い縛り、また目線を下にやる。



「小鳥遊の…馬鹿。そんかこと言われたら………っ!」



「もー、まだ早いんじゃね?」



震えた声の有ちん先輩に、俺は近づき、ぎゅーっと抱き着いた。



「俺や皆の前で泣くのは、優勝してからだよ。………あー、なんか今日、俺の肩のとこだけゲリラ豪雨」



「うん、俺ん顔のとこにも、いっぱい、雨が降っとるわ」



ホントに泣くときは、全部終わってから。



……だから、これは俺達にだけ降り注ぐ、ゲリラ豪雨ってことで。
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