【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「椿ちゃん、ボールくれ!」



「構うな小鳥遊、俺だ!」



…最早、この勢いを止めることは出来ないだろう。



どちらに回そうか、何て思っているうちに。



ピッピィィィ!!



試合終了のブザーが響き渡る。



水高109-63横浜工業



こんな、味方同士の得点の取り合い勝負のままの勝ちってあり?



「絶対俺のが得点取ったもんね!」



「後半からは殆ど俺だ。後で由貴に確認しよう」



「ぷん!良かばい!なんなら、こん後1on1で決着つけても良かしね!」



ガキんちょピカ先輩と、意外と負けず嫌いの秀吉キャプテンのやり取りに、残り三人の後輩組は着いてけない。



「あん二人……肥後もっこすやっけん」



後ろから現れた有ちん先輩が、お手上げのポーズで苦笑いをした。



『肥後もっこす』というのは、熊本の方言で頑固者の最上級を表す言葉。うん、まあ、あの人達にピッタリの言葉だよね。



…………ともあれ、俺達の、3回戦進出が決まった。
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