【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
第4クォーター、開始4分と38秒。
水高59-62凌華学院
互いに24秒バイオレーションを守ったり、得点を取り合ったり、点差は動かぬまま。
オフェンスは凌華学院。
「槐!(例えあちらが点を取ろうと、わてらには槐がおる。どもない!)」
ボールは相手ガードから、槐の手へ。
その手から、あの、柔らかなワンショットが放たれる。
…………が、しかし。
ガシィィィッ!!
ここに来て、槐が、フリーでのワンショットを初めて外す。
もう、体力の限界なのだろう。苦しそうに肩で息をしているのだから。
「リィィィ!!」
ベンチから、泰ちゃんの声が響き渡り、空中に、行雲先輩と桜山が舞う。
バッシィィ!ドタァッ!
それを取ったのは、リバウンドを一番の得意技とする行雲先輩。
けれど、空中で桜山と接触し、両者、フロアに転がる。
「ゆっくん!!」
ピカ先輩の叫びに、先にのろり、と体を起こす、行雲先輩。
「接触がなんぼのモンじゃいィ!ピンピンやっし!」
元気そうな行雲先輩に、ホッと肩を撫で下ろす。