【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
行く宛もなく、俺達三人は穴場スポットの屋上へ。



ホントは立ち入り禁止なんだけど、手先の器用な俺にかかれば、古い鍵なんてちょちょいのちょいで開くってモンよ。



まだ真っ赤っかな行雲先輩は、パッチリ二重の睫毛ふさふさお目目をしぱしぱ、ひっきりなしに動かしている。



「うあー…キャプテンって、そういうの疎か人やと思っとった」



そして、184センチの巨体のくせに、ひょろいその体はベージュのカーディガンを纏い、モテる女子がやる、袖から指先しか出てないアレ状態で頭を抱えた。



「行雲先輩ってさー…チェリー?」



俺は何の気無しに問いかける。



「せからしい!椿ぶん殴る!!…俺はバスケしか興味なかと!」



あー、図星パティーンな。なんだよとことん可愛いなチクショー。



「椿はキャプテンのキスシーン見たとき以外は冷静やったばってん…済んどっと?」



「え…うん。去年まで帰宅部だったし、彼女いたし、フツーに」



そのリアクションからすると、泰ちゃんもチェリーボーイか。まあ、俺が早いだけで、普通のことなのかな。
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