【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
ってな訳で、行雲先輩の謎の男気スイッチのせいで、初めて踏み入れる一階上の二年生の教室の廊下にいるわけだけど。
「神楽木君とおるん、一年生の小鳥遊君と仇野君やんねー」
「あれ、パーマも染色もしとらんらしいよ!生意気そうやけど、なんかカッコイイー!」
先輩女子から騒がれるの、悪くねー。
泰ちゃんもデカイし優しいモテ男雰囲気ぷんぷん醸し出してるし、行雲先輩はまあ、性別限らず愛されてるだろうし。
とにかく目立つのよ、俺達。
それに慣れてる行雲先輩先輩は、臆することなく目的の教室の前で止まると、その麗しの唇から乱暴な声を出す。
「由貴ぃ!由貴、おらんとや!?」
「何ね行雲!あんた達目立つとやけん騒がんでくれん?」
教室の端っこでお友達と喋っていたらしい由貴先輩は、こちらへやって来ると行雲先輩の胸板辺りを叩いた。