意地っ張り


『うわ!大丈夫?まさか図星だったとはね』





ケラケラと笑いながら
私の肩をポンポンと
叩いたのは笠井くんだ。





「朝から変な事言わないで下さい」





『へー、そういう関係だったんだ』





「だから、そういうんじゃありません」





『じゃ、今夜は俺とつき合ってもらえます?』





「…は?」





あとで連絡するからと
言ったかと思うと
さっさと立ち去って行った。





朝から一体
なんだったのだろうか。





それを見ていた同期の美佐子が
興奮したように近寄って来た。





仕方なく昨日の経緯を話せば
羨ましいと叫び倒す。





笠井くんが人気者だなんて
全く知らなかった。





ていうか、松本以外興味が無い
私ってかなり痛い。





当の本人は今朝の顔とは
全く別人でテキパキと
仕事をこなしている。





そんな姿に周りの
女子社員はうっとり状態。





朝のだらしない姿を
見せてやりたいもんだ。



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