君が思うより、君はキレイ。
彼女は先週と変わらぬ優しい笑顔で迎えてくれて、またお土産にケーキをくれた。

その日も彼女は幸せそうで、何だか眩しいほどだった。




その次の週も、やっぱり彼女は注文をくれた。

注文票を見つけ、慌てて行くことになっていた奴と配達先を交換してもらい、何とか彼女に会いに行くことができた。

彼女は相変わらず、天使のように微笑んでくれたけど、その日は切ない思いで胸がいっぱいになった。



なぜなら、気付いてしまったから。

どう見ても一人暮らし用のアパートの玄関に、いつも同じ高級ブランドの革靴が置いてあるのには訳があるのだと。
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