君が思うより、君はキレイ。
その言葉に不安を覚える。

彼女はやっぱり、あいつに家族があるって知らないのかな。

何の屈託もなく笑う彼女を見ていると、胸が締め付けられる。



「私ね、実はイブが誕生日なの。でも、こんな仕事してるから絶対休めないし、前の日から働き詰めだから毎年ボロボロ。」

「そうなんだ。 仕事は確かに大変そうだけど、イブが誕生日って何か夢があるっていうか、素敵じゃないですか。」

「うん。ま、嫌いじゃないかな。」

「あ、だからその名前なんだ。」



名札には『遠山 柊子』と書いてある。

注文票に書かれた苗字しか知らなかったから、さっきからずっと気になっていた。
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