君が思うより、君はキレイ。
「もう終わりにしようって、少し前から言われてたんだけど、誕生日だけは一緒に過ごしたくて、今日が最後でもいいから会ってほしいって約束してたの。」

「.......。」

「こんな仕事してたら早く帰るの無理だし、彼には家族があるから、ほんの短い時間なんだけど。」

「......。」

「それでも良かった。愛してたから。なのに.......。」



彼女は大きな目に涙を溜め、俯いたままでいた。

大人の恋愛なんて、俺にはまだよくわからない。

ただ目の前にいる彼女が愛しくて、何とか支えてあげたくて.......

どうしたらいいのか答えを出せないまま、祈るような気持ちで、彼女の手をギュっと握った。
< 27 / 37 >

この作品をシェア

pagetop