君が思うより、君はキレイ。
彼女はあっさりと部屋に上げてくれた。

まだ赤い目をしていて、笑顔に力がないのが気になったけど。



「待ってた。あがって。」

「あ、はい。」



中に入るのは初めてだし、彼女と二人きりだと思うと急に緊張する。

いや、今日はそんなんじゃなくて、彼女を慰めに来ただけだから落ち着け、俺!

俺のいらぬ妄想をよそに、彼女は至って普通にソファに座り、隣を手で叩いて、そこに座れと促した。



「帰ったら、お別れの手紙と一緒にポストに入ってたの。」



ドキドキしながら隣に座り、テーブルに目をやると、プレゼントらしき箱と封筒、それから部屋のカギがあった。
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