君が思うより、君はキレイ。
彼女はそのままギュッと抱きついて、黙り込んだまま、しばらく顔を見せてくれなかった。

何処に置いたらいいかわからなくて、何となく背中に触れていただけの腕に力を込め、俺も彼女をしっかり抱きしめた。

華奢な肩が余りに頼りなく見えて、愛しくて愛しくてたまらなくて......

そうせずにはいられなかったから。



「.....ねぇ、今、何時?」

「え?」



時計を見ると、11時55分を指している。

わっ、ギリギリだ。



「さっき、日付けが変わる前に必ず来るって言ってたの、そういう意味なんでしょ?」

「うん。」

「ありがとう。一緒にいてくれて。」
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