イジワルな彼の甘い罠
「つーか誰だよ!そんな噂流したバカは!!」
「早希だ」
「……は?」
さ、早希?
玲二から突然その名前が出るとは思わず、驚きからマヌケな声を出す俺に、玲二はまた楽しげにふっと笑う。
「先日偶然行きあってな。その話をしていた」
「……つまりは、誤解してるってことか」
段々と話の内容を理解し始めた俺に、玲二は「あぁ」と頷いた。
誤解、してる。
モデルとのことも、あの写真のことも。
……あの時妙に様子がおかしいと思ったら、そういうことかよ。
自分も似たようなものだけれど、相変わらず素直に言葉に表すことができない早希のあの日の言葉の意味をようやく知る。
「黄色いクリアファイルがどうとかも言っていたな。だが確か俺の記憶ではあのファイルには……」
「誤解ってわかってるなら弁解しろよ!つーかお前人のファイル勝手に見たな!?」
「そこら辺に置いてあるのが悪い」
しれっと言ってのける玲二をキッと睨む。
くそ!涼しい顔して腹黒い奴め!!こいつ普段からかわれる側なだけに、俺をからかう時になるといきいきしすぎだろ!