イジワルな彼の甘い罠



「玲二から『日本料亭で見合いする』って聞いてな。この辺でそういう店って言ったらうちくらいしかないと思って兄貴に聞いたら、ビンゴだったってわけだ」

「澤村、くんが……」

「けど正面から行くはずが入り口で親と出くわして……客がいるからって入らせて貰えなかったから塀越えて入った」



そう言って壁際にどかっと腰を下ろす航に、続くようにその隣へ座る。



「つーかなんだよ、いきなりもうやめるとか見合いだとか……そんなに俺のこと嫌いかよ」

「ちっ違う!」

「じゃあ?」



じっと見つめる黒い瞳。

その眼差しに、目をそらすことも誤魔化すことも出来ない。



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