イジワルな彼の甘い罠
風邪薬となにか飲み物でも買ってきてやるか、そう一度脱ぎかけた上着を着なおし、玄関へ向かおうとした。
その時、ヴー、ヴー、と響いたバイブ音にテーブルの上を見れば、音をたてているのは一台のスマートフォン。
白いそれは早希のもので、画面には『着信・大木さん』の文字が表示されている。
「大木さん……?」
って、男?会社の奴か?それとも……
まさか、浮気相手……!?
一瞬にしてよぎる嫌な予感に、俺は思わずスマートフォンを手にとった。
べ、別に浮気を疑ってるわけじゃねーよ……あいつ具合悪いから、今出られないって伝える……それだけ、それだけだ俺……!!
言い訳をするように自分に言い聞かせると、俺は通話ボタンを押し電話に出た。