イジワルな彼の甘い罠
「お前、今日どこ行ってた?」
「……ハルミと、病院」
「ハルミと?他の男との間違いだろ」
冷静に、冷静に。そう心に言い聞かせるけれど、感情を表すかのようにその細い腕に力が強くこもる。
「今日、お前が駅前で男と歩いてるの見た」
「え……!?」
はっきりと問いかけると、早希の目は驚いたように見開かれる。
「なんだよあれ。あんな男と寄り添って歩いて」
「違うの、あれは……」
「あれは?」
弁解しようとするものの、問えば詰まる言葉。
どう説明しようか、というよりはどう繕おうか、というように見えるその表情に益々苛つきは込み上げる。