イジワルな彼の甘い罠
なんだよ
あれは何なんだよ
最近の態度は何なんだ
弁解しろよ、否定しろよ
俺だけだって言ってくれよ
「……、……」
願いも虚しく、響く沈黙。
黙ったまま俯く早希に、俺は痺れを切らしたようにガンッ!!と壁を殴りつけた。
「……分かったよ。そういうことならもういい」
「え……?」
「別れる。お前みたいな女と結婚なんて出来るかよ。……お前だって、昼間の男みたいな優しい奴の方がいいんだろ」
俺なんて、言葉で繋ぎ止めるほどの価値もないってことだ。
実感し、ズキ、と痛む胸。その痛みに、掴んだままだった早希の腕をそっと離した。