イジワルな彼の甘い罠
「いや、だってお前今日男とくっついてたし……最近夜も拒むし」
「……だって、それは……」
「それは、?」
言いかけて、また黙り込む唇。
どう説明しようかというよりはどう繕おうか、先ほどはそう見えた表情。けれど、落ち着いた気持ちで見れば違うことに気付く。
どう説明しようか、というよりは
『言いたいけど、怖い』
不安や恐れを含んだ、迷い。
「……あーもう、わかった。俺が悪かった。いきなり怒ったりして悪かったよ」
それを感じると、先ほどの俺の態度はきつかったかもしれないと思ったから、俺は素直に謝ると、ひとつ深呼吸をして、早希の小さな顔を両手で包んで見つめた。