イジワルな彼の甘い罠
「……はぁ、」
その光景に、思わずため息がひとつ漏れる。
「あ?なんだよ」
「汚いツラに汚い部屋……綺麗なのはカメラだけだと思って」
「あぁ!?喧嘩売ってんのか!?」
カメラをそっとテーブルに置いてがなるそいつに、私はパンプスを脱いで狭い家へとあがった。
「飯は?」
「仕事終わったばっかりだし食べてない。何か食べるものあるの?ないならコンビニ行ってくるけど」
「あー、そこのテーブルの上に……」
部屋にあがった途端、そいつは言いかけながら立ち上がり近付いたかと思えば、まだバッグすらも下ろしていない私にキスをする。