イジワルな彼の甘い罠



そう化粧を落とし始めていると、ヴー、と鳴るバイブ音がメールの受信を知らせる。

返事、早……。



クレンジングコットンを置き、どんな返事がきただろうかと少し期待をしながらメールを開いた。

ところがそこには、『19時に家』の一言のみが記載されていて……。



「ってあいつはこれしか言えないわけ!?」



心配どころか『昨日どうした?』の一言すらもないって!どういうこと!?

バカ男!カス男!最低男!!

期待した私が一番バカだったよ!!



思わず声をあげながらベッドへ携帯を投げつけると、そのまま私は浴室へと向かう。



「……19時、なら今から支度すれば間に合うな」



疲れてるのに、ムカつくのに。

結局足はその部屋へ向かうんだ。





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