イジワルな彼の甘い罠
「……ん……」
翌朝、陽の眩しさに目を覚ませばそこには裸にシーツをまとっただけの私と航の姿があった。
何度体を重ねただろう。覚えていないくらいグチャグチャになった昨夜は、そういえば疲れ切って眠ってしまったのだと思い出す。
すー…と静かな寝息に、その寝顔を見つめては昨夜のことを思い浮かべる。
……あんなに沢山したの、久しぶりかも。
まるで、航も会えない時間分を補っておくかのように。
あれ、ていうか今何時……。
そういえばと時間を思い出し、すぐ近くに置きっぱなしになっていた航のスマートフォンで時刻を確認すれば、初期設定のままの待ち受け画面に表示されたのは『7:05』の文字。
あれ、そういえば何時に待ち合わせだっけ……。
何時の新幹線……。
『朝8時の新幹線でー……』
八代くんの言葉を思い出した瞬間、血の気がサーッと引くのを感じた。
「っ……まずい!!」
寝坊した!!!