イジワルな彼の甘い罠
「わっ航!起きて!起きろ!!」
まずい、しまった、そう私はすやすやと眠る航を思いきり叩き起こした。
「んだよ……まだ、眠……」
航は当然こちらの都合なんてつゆ知らず、眠そうに寝返りをうつ。
「寝坊なの!急がなきゃ新幹線乗り遅れる!!まずい!!」
「じゃー行かなきゃいいだろ……」
「ってできるわけないでしょ!!あんたのせいでもあるんだからっ…いいから車出してー!!!」
いつもなら航に車出してなんて甘えない。けど、さすがに今はそんなこと言ってる場合じゃない。
私は急いで着替え、航の車で一度自宅へ戻りまとめておいた荷物を取りに行った。
荷物まとめておいて正解……化粧は新幹線のトイレで急いでやろう。
そう眉毛もまともに描いていない私を乗せ、車は東京駅へと着いた。