赤ずきんは狼と恋に落ちる
上手く息が出来ず、最後は自分から離れた。
呼吸を整えようと肩を上下させても、ドキドキしているせいか、なかなか戻らない。
チラリと千景さんを見ると、顔が少しだけ赤くなっていた。
ほんのちょっとだけの満足感を感じつつ、ソファーに座り直す。
「何や。嬉しそうやなぁ……」
顔を赤くさせたまま、腑に落ちないとでも言いたげな様子でじっと見つめてくる。
「いやあ、そこまでしてくれるなんて思うてへんかったからなぁ……」
「え?!……あ、あの、ごめん、なさい!」
さすがに重たかったのか、それともしつこすぎたのか。
思い当たる節が多すぎて、また頬が火照ってくる。
千景さんは、私の頭をポンポンと叩きながら、笑う。
「違う違う。あそこまでされるとな、」
不意に両肩を掴まれる。
それに気付くのが遅かったのか、あっと思った瞬間、視界がグルンと1回転。
背中に感じるソファーの柔らかさと、視界いっぱいに映る千景さんの顔。
状況を理解したところで、右手首をぎゅっと掴まれ、切なく囁かれた。
「俺も狼になるから」