赤ずきんは狼と恋に落ちる
家に帰ってきた途端、玄関で仁王立ちしているちほが目に飛び込んできた。
「すぐ戻ってくるんじゃなかったの?」
頬を膨らませながら言う姿が、やけに子供っぽく見える。
「ごめんね?ちょっと色々と喋ってたら遅くなっちゃったの」
千景さんと別れた後に、ちほへお茶やらお菓子やらを買って帰ってきたのだけど。
「今日はゆっくりしていって。
明日、ちほと行きたい所があるから」
「どこ?」
「今は秘密ね」
ちほは不服そうにしながらも、スーパーの袋を一つ持ち、にっこりと笑う。
「分かった!今からどっか食べに連れてって、お姉ちゃん!」
「今から?」
「お菓子は後で食べるし、せっかくここに来たんだから、色々教えて?」
「ね?」と手を合わせて頼むちほを見ると、つい頷いてしまう私。
ちほにコソコソしていたことだし、今日はお詫びのつもりで連れて行ってあげよう。