僕の彼女はちょっと狂ってる



 そしてイヤホンを片耳に差し、読みかけの小説を開く。



「うわー、あの眼鏡の奴、絶対アニソン聴いてるでしょ」

「キモいわぁ。ブックカバーしてあるってことは、ラノベ読んでるだろ。見た目通り過ぎるてつまんね」


 聞こえてますけど!聞こえてますけど!

 実は村上春樹読みながらビートルズ聴いてるよ!

 まぁアニソンとラノベみたいなありがちな組み合わせではあるけれど。

 お前達に純文学の良さがわかるはずあるまい。正直僕もちゃんと分かってない。




 もう少しでホームルームが始まるという時、教室の中へ2人の女子生徒が入ってきた。



「ギリギリセーフ……疲れた~!」

「もー江梨香が定期入れ忘れたりするから」



 江梨香という名前に、僕の耳がピクリと反応した。



 吉井江梨香、B4の一味。外見は4人の中で一番普通だ。というかむしろ清楚。



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