はじまりの日
答えながら徹も立ち上がった。


「あんまり長居はできないけどさ。明日、朝一のバスで空港まで行かなくちゃいけないから。家帰って夕飯食って風呂入ったら速攻で寝ないと」


「ホント強行軍だな。せっかく帰省したんだから、自分の家でもっとゆっくり過ごせば良かったのに」


「それじゃ意味ねーだろ。きちんとお前の口から結婚の詳細を聞きたくて帰って来たんだからさ。まったく、水くさいやつだよな。今まで全然教えてくれねぇんだから」


苦笑しながら意見したが、すかさず反撃された。


「しかも、高校生の時から想い続けてたんだろ?あの頃そんな事、一言も言ってなかったじゃねーかよ」


「そりゃ……。秘めたる恋心だったからさ」


言いながら、ドアに向かって歩き出した俺の後を、当然徹も付いて来た。


そのまま部屋を出て、縦列に並んで階段を降りつつ会話を交わす。


「周りにバレたら、何か色々と面倒そうだし」
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