はじまりの日
平日昼間、普通の会社員が働いている時間に家でぐうたら過ごしたり遊びに行けたりするし、むしろそういった勤務体制をすこぶる気に入っている。


周りもそんな感じで、むしろバイトの中には、黙々と作業できて時給も良い夜勤専門に働きたくて、空きが出るまで待っていた人もいる程だ。


ちなみに雪さんは基本事務要員だし、深夜に出勤してもあまり意味がないので夜勤のシフトには組み込まれていない。


また、土曜日は他の事務員と交替で出るけど日祝は完全に休みである。


事務に関しては最初からそういう契約なのだ。


だからこそ、知る人ぞ知る人気の仕事な訳なんだけど。


「お前はどうする?一緒に出るか?」


俺はベッド付近の床に置いておいた出勤用のリュックに近づきつつ、傍らに座る徹に問いかけた。


「いや。下で伯母さん達とちょっと話してから帰るよ。さっき、ろくに挨拶せずにさっさと2階に上がって来ちまったから」
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