はじまりの日
「はじめお兄ちゃんといっしょだから、さっちゃん、すごく元気だよ~」


「……お兄ちゃん、じゃないでしょ?」


やんわり訂正すると、さっちゃんは「あ、そっか」と呟き、言い直した。


「パパといっしょだから、さっちゃん、どこまででも、歩いて行けるよ~!」



その時に胸の奥に芽生えた気持ちを、何と表現すれば良いのだろうか。


目頭が熱くなって、俺は慌てて空を見上げた。



パパと娘に成り立てホヤホヤの、不安定な親子。



崩れて壊れてしまわないように、どうかずっと、支えていて欲しい。



この世で会うことはもう叶わない、だけどきっと、あの空の向こうでいつも見守ってくれているであろう、愛しいあの人に……。



心の中でそう願いながら、俺はさっちゃんの小さくて温かな手を、改めてギュっと、強く、握りしめたのだった。
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