侍先生!
私は笑顔で返事して、更衣室に入った。


着物を脱いで、制服に着替える。
これから、先生と見回りかぁ・・・と若干ドキドキしながら着替えていた。


着替えたあと、トイレに向かった。


髪の毛はグチャグチャじゃないか、唇は荒れてないか…。


先生と見回りだから、化粧してったら怒られるし…髪の毛直して、リップ塗るくらいしか出来ないけど、チークを塗っていない頬はほんのり赤くなっていた。


携帯と財布だけ持って、後の荷物は全部ロッカーに入れて、待ち合わせの資料室前に行った。


「せ、せんせー!」


先生の姿を見つけて、手を振って叫ぶ。


「お、姫条。 遅かったな」


先生は意地悪そうに笑って、行くぞ、と言って歩きだした。



「あ、倖田先生!」


そう言ったのは、見たことも無い女子生徒。三人くらい、かたまってやってきた。


「さっきの演劇、かっこよかったです~!」


目をハート型にして顔を赤らめているように…見えるのは私だけか?
先生はまんざらでもなさそうに、ヘラヘラ笑っている。


「あなたも良かったよ~! 面白かった!!」


ケラケラ笑って、肩を叩かれる。


…ば、馬鹿にされてる?
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