侍先生!
「まあ、今から見回りだからお前らどっか行ってくれるか?」


「えー? 先生ひどい~」


ひどいとか言いながら笑いつつ地団駄を踏んでいる。
先生は何も言わずに手を振って、さっさと歩いていった。


「侍先生、モテモテですね」


「まぁな」


…なんだその態度。


「まあ、信長の役がかっこいいってゆーか、信長がかっこいいってだけであって、先生がかっこいいってわけじゃないと思いますけどね」


「おお、言うな。 お前」


先生は苦笑いして言った。


「ま、とにかくクレープ食おうぜ」


「…クレープ? なんで?」


「目の前にあるから」


…そうですか。


入ってみると、そこはカツオと澪ちゃんのクラスだった。


「あ、まいちゃんと倖田先生。 いらっしゃいませー」


澪ちゃんはニコニコ笑って手を振ってくれた。


「お! 来たか。 お前のだいっすきなグリンピース大量に入れとくのでいいな?」


次にカツオがやってきて、気合いの入った顔でそう言われた。


「いや! いつ好きっていったかなぁ? むしろ大嫌いだけど」


カツオにちゃんと作れ、と忠告して席に座った。

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