侍先生!
「はー! 生き返った!」


「先生…おっさんみたい」


「うるさい」


先生はタオルで髪の毛をふいて、タオルを肩にかけたまま、ビールの缶を開けた。


「またお酒?」


「風呂あがりはこれって決まってんだよ」


そうなんだ…。
はじめて知った。


先生はビールをイッキにのんだあと、髪の毛を乾かして、布団に入った。


「さ、寝るか。 おやすみ」


と、目をつぶる先生。


…ほんとに寝るんだ。


「おやすみ、侍先生」


先生は口元まで布団をかぶった。


先生の寝顔って、可愛いなあ。
と少し眺めてから、私も布団をかぶった。


「なあ、なんもしないんだけどさ」


「うん?」


「抱き枕になってくれる?」


「へ?」


「修学旅行でしたときみたいに。 なんか安心すんだよね」


「いいけど…」


そう言うと、先生に包まれるように抱きしめられる。


…慣れないなあ、なかなか。
ドキドキしまくってる。



私と先生のあいだでは、初ロマンスはまだまだ先っぽそう。
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