侍先生!
「君は今日から猿だ!」


と言うと、明石焼きくんはキョトンとしていた。


「いや、俺…人間。 そんな猿っぽく見える?」


「じゃなくてー! 木下藤吉郎!! のちの豊臣秀吉!!」


「…え?」


「秀吉は信長から“猿”とか“明石焼き”とか呼ばれてたんだよ!」


「それは嘘でしょ!」


「あ、違った。 “ハゲネズミ”だった」


「間違いすぎでしょ! どーやったら間違うの、それ!?」


「ごめん、ごめん。 で、誰だっけ?」


「だからー…、ってもういいよ!」


彼は何やらプンスカ怒っていた。


「明石遠也…参加な」


そんな声が聞こえた。
後ろで侍先生が何かメモをとっている。


…先生、いつからいたの?
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