侍先生!
「サンキュー、明石! これで課外授業できるわ」


「あ、先生。 よろしくお願いします。 遅くなってすみません」


「いーって事よ。 助かった」


先生は彼の肩をポンポンと叩いた。


「ところで、姫条…。 明石を猿って呼ぶって事は、お前は信長か?」


「当たり前じゃん!」


「じゃあ、俺は?」


「明智光秀!」


「ええ~? またかよ。 …まあいいけど」


「先生、あの台詞好きだもんねー」


「敵は本能寺にあり!」


先生は腰に刀があるように、ポーズを決めて、キリッと前を見据えた。


「ぎゃははー! 先生、本格的じゃん!! このまま信長の座を私に渡したら?」


「それは出来ない。 信長、覚悟!!」


「光秀が謀反!? 猿、応援を頼む!!」


「え…俺?」


明石焼きくんは、きょとんとして私達を見ていた。


「ほっといていいよ、明石くん。 あの人達アホだから」


と、皐月は明石焼きくんの肩を持って言った。
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