侍先生!
ヤバイ、こけちゃった?


…つまずいてないんだけどなぁ。
なんか、頭がボーっとする…。


そのまま意識が遠くなるのが分かったけど、侍先生が、かすかに私の名前を呼んでくれた気がした。


目を覚ますと、真っ白な天井が目の前にあった。


「気がついたか?」


そう言ったのは、カツオだった。


…なんでカツオ?


「嫌そうな顔すんなよ。 お前をここまで運んでやったんだぞ?」


私はベットに横たわっていて、ここはどうやら保健室のようだ。


状況をのみこめた私はカツオを少し睨んで、


「頼んでない」


と言って、私はカツオに背を向ける。


「お前、最近目にクマ作ってただろ? 寝てねーんじゃねえの?」


「寝てるもん」


「寝てる奴が夜中に大音量で大河ドラマ見てんな。 近所迷惑だ」


…確かに、寝れなかったよ。


ここ数日。
先生の事考えてて。


考えたって、何も結論は出なかったけど。


今日、真帆さんに聞いて、スッキリした筈なのに…。
なんか、モヤモヤが膨らんだだけのような気がする。
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