侍先生!
「そういえば、侍先生と、せいじは高校一緒なんだっけ?」


先生は、ちょっと私を睨んだ。
私が目をそらすと、先生はため息をついた。


「…せいじ先生、と!」


私がそう言うと、先生は『よし。』と言った。


…変な所、細かいんだから。


「そう。 俺の先輩。 せいじ先輩、怒ると怖いんだよ。 だから、大人しくしててくれ」


「じゃ、今度怒られたら、助けてあげるよ」


「だーかーら、誰のせいで…」


「資料室、とうちゃーく!」


「…聞いてないし」


先生は、がっくり肩を落とした。
私は、本を棚に入れていく。


先生は、その場にあった椅子に座ってくつろぎはじめた。


「ちょっと侍先生。 手伝うのは運ぶだけなんですか?」


私が、先生の前に、無理矢理本を置いた。


先生は、本から目をそらし、あくびをした。手伝う気は、全く無いのね。
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