Dear HERO[実話]
「お前、絶対ひくって…」
…ひく?
……どういうこと?
とにかくどんな内容なのか聞きたい一心だった。
「ひかないよ。知りたいの」
真剣な私の目に龍斗は話す覚悟を決めた。
「…わかった」
「………」
「俺、昔スタントマン目指してたって言ったじゃん…」
「…うん」
「あのとき結局は怪我して実家帰ることになったけど、そのときはまだ怪我したことも夢を諦めたことも認めたくなかった…」
うん…うん…
私はあの日の話しか知らないけど、あの時の龍斗を思い出したらどれだけ真剣に夢に向かっていたか分かる。
簡単に認められるはずがない。
「意地張ってたんだよ。このままじゃ帰れないって…」
「……うん」
「だから東京で他の仕事探すつもりだった。でも決まるはずだった仕事がいきなりキャンセルになって、それから中々仕事が決まらなかった。結局仕事してないときが3ヶ月ぐらい続いたんだ…」
「……うん…」