心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~










「ーーーーーあの、先生。



ちょっと、宜しいでしょうか」








教室の最前列、ど真ん中。





教卓の真ん前で、一本の腕が、真っ直ぐに挙げられてる。









ーーーじぇじぇじぇ。








あいつ、またかよ………。








思わず溜息をついちゃう、あたし。







「な、なんだ、椎名」





先生も、今から途方もない窮地に立たされることを予感して、かなりおどおどしていらっしゃる。






周囲の空気が一変したことに気づいているのかいないのか(いや、たぶん、気にしてないな)、そいつは、迷うことなくすっくと立ち上がった。






むかつくくらい癖のない真っ直ぐな髪が、さらさらと揺れる。



なまじ背が高いから、目の前の教壇に立った先生と、視線の高さがばっちり合ってますね。



しかも姿勢が異様にいいからね。



先生、完全に圧倒されちゃってるよ。





別に好きじゃない先生だけど、かわいそー、って思っちゃいますね、さすがに。




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