Taste of Love【完】
「大変です! 浅見さんが……」
雅実が手に持っていた、業界最大手が出版するグルメ雑誌を、翔太と風香が覗き込む。
そこには、大悟の店が大きく掲載されていた。
「……こんな、酷い」
そこには、パティスリーアサミのスイーツが有名評論家によって酷評されていた。
「味わう価値もないって……そんなこと絶対ないのに」
大悟の作る繊細な細工と味は、誰しもが虜になるほどのものだ。それを味わったことがあるものが、こんな風に書くとは思えない。
それとともに書かれていたのは、大悟のスイーツのデザインは他のパティシエから盗んだものだということだった。
「何かの間違いですよ、絶対」
風香の言葉に翔太も頷く。
すると、翔太のデスクの内線が鳴る。すぐに翔太が電話を取った。
「はい。……わかりました。すぐに参ります」
企画室のメンバーが見守るなか、翔太が電話を置く。
「上に呼ばれた。俺は上の言い分を聞きに行くから、風香は宣伝課とこれからのことを協議して」
「他のみんなは心配しないで。通常業務に取り組んでくれ」
翔太の言葉に、全員がうなずいてそれぞれの業務に取り掛かった。
(浅見さん、いったいどうして……)
急いで連絡をとろうとしたものの、携帯は留守電で、店のほうは何度か連絡をしたが、話し中で詳細をきくことができなかった。
大悟のことを気に掛けながらも、風香がその後の対応に追われ一日を過ごすことになった。
雅実が手に持っていた、業界最大手が出版するグルメ雑誌を、翔太と風香が覗き込む。
そこには、大悟の店が大きく掲載されていた。
「……こんな、酷い」
そこには、パティスリーアサミのスイーツが有名評論家によって酷評されていた。
「味わう価値もないって……そんなこと絶対ないのに」
大悟の作る繊細な細工と味は、誰しもが虜になるほどのものだ。それを味わったことがあるものが、こんな風に書くとは思えない。
それとともに書かれていたのは、大悟のスイーツのデザインは他のパティシエから盗んだものだということだった。
「何かの間違いですよ、絶対」
風香の言葉に翔太も頷く。
すると、翔太のデスクの内線が鳴る。すぐに翔太が電話を取った。
「はい。……わかりました。すぐに参ります」
企画室のメンバーが見守るなか、翔太が電話を置く。
「上に呼ばれた。俺は上の言い分を聞きに行くから、風香は宣伝課とこれからのことを協議して」
「他のみんなは心配しないで。通常業務に取り組んでくれ」
翔太の言葉に、全員がうなずいてそれぞれの業務に取り掛かった。
(浅見さん、いったいどうして……)
急いで連絡をとろうとしたものの、携帯は留守電で、店のほうは何度か連絡をしたが、話し中で詳細をきくことができなかった。
大悟のことを気に掛けながらも、風香がその後の対応に追われ一日を過ごすことになった。