Taste of Love【完】
ケーキとお茶を準備した大悟がそれをサーブしてくれる。

翔太の前におかれたケーキは、まるで芸術品のようだった。ピスタチオのムースの上を細かな糸状の飴が飾ってあって金粉がふりかけれていた。

「しかし、俺のケーキ“結構です”なんて言ったの記憶にあるので君が初めてだ」

本来ならば、そんな失礼なこと不快に思う話なのに何故だか大悟は楽しそうだ。

「大変失礼しました」

風香は頭を下げて謝る。

「で、ビジネスの話をしましょう」

そう大悟に言われて翔太が資料を取りだし渡した。

「この度は貴重なお時間頂きありがとうございます」

翔太が深く頭を避けたので、風香も合わせて頭を下げた。

「君のお姉さんにはすごくお世話になったから、こういう形で恩返しできてうれしいよ」

「そう言っていただけると大変恐縮です」

資料をパラパラとめくりながら話を続ける。

「それでは今回のこのお話お受けいただけますか?」

「はい。初めからそのつもりだったから、それに――」
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