Taste of Love【完】
「は、はじめまして、サニーエイトの結城です」
それでも緊張して噛んでしまった、風香に「ぶふふっ」と相手が噴き出した。
「は、はじめまして、浅見 大悟(あさみ だいご)です」
風香のまねをわざとした。
大きな手を差し出してきて、風香の手を握る。
想像通りに骨ばっていて、皮も厚い。職人の手だ。
そして見上げるほどに身長が高い。翔太が百八十センチはあるだろうそれより十センチは大きい。そしてがっちりした大きな肩幅。小さめサイズの風香は彼にすっぽり隠れることができそうだ。
少したれ目がちな大きな目は黒のセルフレームのメガネの奥で意志の強さを表しているし、すっとした鼻梁は男性らしさを醸し出している。
厚い唇の大きな口はきゅっと口角があがっていて人の良さを感じさせた。
真黒な少し長めの髪は全体的にウェーブがかかっていて、彼の男らしい雰囲気をいく分柔らかくしている。
決してイケメンというわけではない。本人の意思とは別に誰からも好かれて愛される、いわゆる「人たらし」の気配がぷんぷんする男がそこにいた。
「こちらにお掛け下さい」
そう丁寧に案内されて風香と翔太はソファに座る。
「紅茶でいいですか?今そういう気分なので」
そう大悟がティーセットを準備しながら顔だけを二人のほうに向けた。
「ケーキ食べますよね?」
食べないわけないよね?という意味を含んだ質問だった。
「結構です」
風香は思わず言ってしまった言葉に自分でも驚いて、両手で口をふさいだ。
大悟の作ったケーキは並ばないと食べられないほどのものでそれを断るとは翔太も大悟も思ってもみなかったのだろう。驚いた表情で二人は風香をみた。
「あの、え……、実は歯が痛くて。食べたいのはやまやまなんですが、申し訳ありません」
咄嗟に思いついた言い訳で取り繕う。
「では、私が結城の分もいただきます」
そう翔太が助け舟を出してくれて、風香の発言で一瞬とまりかけた時間がまた流れはじめた。
それでも緊張して噛んでしまった、風香に「ぶふふっ」と相手が噴き出した。
「は、はじめまして、浅見 大悟(あさみ だいご)です」
風香のまねをわざとした。
大きな手を差し出してきて、風香の手を握る。
想像通りに骨ばっていて、皮も厚い。職人の手だ。
そして見上げるほどに身長が高い。翔太が百八十センチはあるだろうそれより十センチは大きい。そしてがっちりした大きな肩幅。小さめサイズの風香は彼にすっぽり隠れることができそうだ。
少したれ目がちな大きな目は黒のセルフレームのメガネの奥で意志の強さを表しているし、すっとした鼻梁は男性らしさを醸し出している。
厚い唇の大きな口はきゅっと口角があがっていて人の良さを感じさせた。
真黒な少し長めの髪は全体的にウェーブがかかっていて、彼の男らしい雰囲気をいく分柔らかくしている。
決してイケメンというわけではない。本人の意思とは別に誰からも好かれて愛される、いわゆる「人たらし」の気配がぷんぷんする男がそこにいた。
「こちらにお掛け下さい」
そう丁寧に案内されて風香と翔太はソファに座る。
「紅茶でいいですか?今そういう気分なので」
そう大悟がティーセットを準備しながら顔だけを二人のほうに向けた。
「ケーキ食べますよね?」
食べないわけないよね?という意味を含んだ質問だった。
「結構です」
風香は思わず言ってしまった言葉に自分でも驚いて、両手で口をふさいだ。
大悟の作ったケーキは並ばないと食べられないほどのものでそれを断るとは翔太も大悟も思ってもみなかったのだろう。驚いた表情で二人は風香をみた。
「あの、え……、実は歯が痛くて。食べたいのはやまやまなんですが、申し訳ありません」
咄嗟に思いついた言い訳で取り繕う。
「では、私が結城の分もいただきます」
そう翔太が助け舟を出してくれて、風香の発言で一瞬とまりかけた時間がまた流れはじめた。