Taste of Love【完】
二次会がはじまり、ビンゴ大会などで盛り上がった。

貸し切りにされたイタリアンのレストランは、新郎新婦の友達でごった返していた。

しかし風香の頭の中は先ほど由利の言った事実に占領されていた。

(もし、あの時翔太が私の連絡先を手に入れていたら、どうなってたんだろ?)

考えても仕方のないことが頭に浮かぶ。

目の前では新郎新婦を取り囲み、みんなもりあがっているのに、どうもその考えに気をとられて、思い切り楽しむことができない。

(ちょっと早めに抜けさせてもらおう)

真奈美の元へ挨拶に行き、予定よりも早く切り上げることにした。

「真奈美! あらためておめでとう。このドレスもとっても似合ってる」

「ありがとう風香!かっこいい独身の子いた?」

「何言ってるの?コンパじゃないんだから」

「そうだよね。風香はモトサヤだもんね」

「翔太とか?」

翔太の先輩にあたる真奈美の夫、宮本駿(みやもとしゅん)が話に割って入ってきた。

「なっ! ちが……」

「でも、あのバルーンリリース、ウケたよなぁ」

「そうそう、私たちが主役のはずなのに、最後に風香と三栖君ふたりの風船が並んで飛んで行ってさぁ」

新郎新婦が楽しそうに笑っている。

(ふたりとも結構飲まされてるな)

「それは謝るよ。台無しにしてごめん」

「いいの、いいの。幸せおすそ分け。でもふたり本当にいい雰囲気だったよ」

「やめてよ、今は上司なのに」

(気まずいから、そう言うことここで言わないで)
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