たいようのうた。
ヒカリ
ヘッドフォン
「おはよう!光理ッ」
「瑠那…おはよう。いいね、今日も彼氏と登校?」
「えー?まぁ、今日で3ヶ月の記念日だし♪ 光理も彼氏作ったら?」
「僕なんて無理だよ…。」
松原光理(まつばら ひかり)。16歳、高校1年生。
どうして僕は女の子に生まれてしまったんだろ…。
どうせなら男に生まれて、気楽に生きたかった。
恋とか、彼氏とか。ホントもう無理だって分かってるし。
はいはい、知ってます。BUSUですよ。
「そんなこと言わないでよッ。クリスマスとか彼氏いたほうが楽しいじゃない!」
「クリスマスかー…。そういえばもう12月だね。」
「そうだよッ 今年は、女の子同士のクリパなんて開かないからねぇ?」
「えー…。じゃあ僕1人やん。」
「だ・か・ら! 彼氏作るんだって♪」
はぁ…。
だるいわぁ…。
こんな僕に彼氏なんて100年速いわ。
でも少し、友人の瑠那に憧れているのも本当。
いつか、僕にもって…。
そんな夢を見ながら僕は、ヘッドフォンを耳にかける。