出会い別れそして出会う。
出会い


―――私達が出会ったのは孤児院だった。

「ねえ、なんでそんなつらそうな顔してるん?」
「・・・・え?」
そう声をかけてきたのは、るきという男の子だった。
同じ孤児院の中にいても、私は幼いながらも孤立していたため、いつも1人だった。

「なんかあったん?」
「・・・別に」
「名前は?」
「・・瑠己(るみ)」
「俺は琉己(るき)、よろしく。」
るきという男の子は7歳という幼い年齢にしながら大人びていた。

その日からるきはいつも私と一緒にいてくれた。
毎朝おはようの挨拶をして、
毎朝一緒にご飯を食べて、
一緒に歯磨きをして、
一緒に本を読んで、
手をつないだまま一緒にお昼寝して、
毎晩一緒にご飯を食べて、
一緒にお風呂に入って、
そして手をつないだまま一緒に眠る。
なにをするにも一緒だった。


「るみもるきも仲良しだな。」
お父さんはいつも私達を見て微笑みながらそう言った。

ここは孤児院。
0歳から18歳までの捨てられた子供たちが暮らす場。
それぞれいろいろなものを抱えている。
幼いながらにもいろんなものを抱え過ぎてしまった私達はどこで道をふみ間違えたのか、
少しひねくれた人間になってしまった。

ここではみんな家族。
[姫宮]が私達の名字。
お父さんは1人1人を大切に、平等に扱ってくれる。
私達のお父さん。
この孤児院には10人の子供がいる。
みんな親に捨てられてしまった子。



その中で私とるきはお互いの傷を舐め合うように、埋めるように、
いつも一緒にいた。
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