出会い別れそして出会う。
るきとの出会いから数年経ち、私達は中学に入学しようとしていた。
「るみちゃん!るきくん!朝ごはんよー!」
下からはおばちゃんの元気な声が聞こえる。
「るきー、お腹すいた。早く準備して」
そう言った私の前でのろのろと準備しているるきの姿があった。
「うっせー。こっちは眠いんだよ」
「・・・あっそ。じゃあ先行くから」
「はあ?そこは待つとこだろ、」
「。。。15秒」
「15秒?はいはいわかりましたよ、、」
私達の朝はいつもこんな会話から始まる。
今日から中学生だというのになんの変わりもない。
ここの孤児院は普通のとこに比べて裕福だ。
それはお父さんやスタッフの人のおかげ。
でもそれを表現できないのが私とるきの悪いところ。
「あー!やっとおりてきた!ご飯冷めちゃうわよ!」
「わかってる、るきのせいだから。」
「あ?俺のせいかよ、るみのくせに生意気なこと言いやがって」
「うるさい早く食えよ・・・・」
私達の会話に入って来たのは、
「お兄ちゃん・・・だって」
「だってじゃないだろるみ、」
私達のお兄ちゃん。
ここでは最年長の遥兄ちゃん。
お父さんより頼りになる・・・ってのはおいといて、
すごく頭良くて、なんでもできる私達の自慢のお兄ちゃん。
「るみ、るき、今日から中学生だな、おめでとう。」
そう言ってお父さんが私とるきにプレゼントをくれた。
その中身は、
「携帯・・・?」
「そうだよ、もう中学生だからね、なにかあったときはちゃんと連絡しなさい。」
「ありがとうお父さん!」
「いいんだよ、大事に使いなさい。」
嬉しくて私とるきは、うん!と答えた。
「るきるみ、学校行くよ」
今日が初登校のため、同じ中学に通うお兄ちゃんと一緒に行く。
「じゃあ、いってきます」
「いってくるー」
「うん、いってらっしゃい。気をつけてね」
お父さんはほほ笑みながらそう言った。
おばちゃんはわざわざそとまで見送ってくれた。