box of chocolates
 ふたりきりでカウントダウンをしてから、初詣のために私の地元の神社に向かった。地元の神社は、毎年、たくさんの人が初詣に訪れる。
「もしかしたら、うちの家族が初詣に来てるかも? お兄ちゃんも帰ってきているから」
「そうか。まぁ、お兄さんはいいんだけれど」
「お父さんのこと、こわい?」
「そりゃあ、こわいよ。かわいい娘を自分みたいなのに奪われたんだから良くは思わないよね」
「それは、貴大くんに限らず、だよ」
「まぁね。オレも妹がいるんだけれど、妹の彼氏が幼なじみで。良く知っているのに、父さんはヤキモチやくもんね」
「ねぇ、貴大くんのお父さんってどんな人?」
 赤信号で車が止まった。貴大くんは、私をみつめた。
「近いうちに、親に紹介するから」
 その真剣な眼差しに、何も言えずに頷いた。
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