box of chocolates
 昼が近づくと、交代で店番をしながら、それぞれランチタイムとなる。
「川越先生、今日は私がいますので、奥様とゆっくりランチを楽しんできてください」
「そうか。悪いね、八潮くん。お先に昼に行かせてもらうよ」
 父たちはランチに出かけた。嫌な予感がした。
「うちの店はランチもしているからお昼は忙しいけど、ケーキだけなら平日の昼間はヒマだろ?」
 急に八潮さんが話しかけてきたから、ドキッとした。
「そうですね」
「じゃあ、ほかのスタッフの方々も、ランチに行ってもらっていいんじゃないの」
「私がこの店を仕切っているわけじゃないから、勝手に指示できないです」
「そう」
 八潮さんはわざとらしくため息をついた。
 


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