愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

大塚さんが親しげにそんな事言うから、周りの女の子達が凄い眼で私を睨んでるじゃない!!


うわぁ~…こういうの苦手…


なるべく大塚さんと眼を合わせない様にしながら残りのお弁当を一心不乱で食べてると「今度、飲みに行こうよ!」なんて、いきなり誘われた。


「ブホッ…」


思わず口の中に詰め込んだ全てのモノを吹き出してしまい周りの女の子達は悲鳴を上げ右往左往。


あちゃ~…これは完璧に大塚さんに嫌われたな。


そう思いながら慌ててテーブルを拭いてると、予想に反して「北沢さん、面白いなぁ~。やっぱ、飲みに行こうよ」って、一緒にテーブルを拭いてくれたんだ。


すると、あちらこちらから「私も!」「私も、行きたい!」と声が飛び交う。女の子達の迫力に圧倒され、さすがの大塚さんも困り顔。結局、新人皆で飲みに行く事に決まった。


大塚さん、凄いモテてるなぁ~…彼に関わったら、私、皆に嫌われそう…




―――二日後


仕事終わりに本店勤務になった新人8人で銀行近くの居酒屋に集まった。男性3人、女性5人。ほとんどの女の子は大塚さん目当てという事で、大塚さんを囲んでアピール合戦が始まってる。


皆、眼の色が変わってて、なんだか怖い…。あのくらい積極的にならなきゃいい男は手に入らないって事か…


妙に感心しながら私は少し離れた席で他の新人男性達と当たり障りのない話しをしていた。


大塚さんは優しそうでいい人ぽいけど、付き合いたいとか、そういう気持ちにはなれなかった。後藤の事があったりしたから、ちょっぴり男性不信になってたのかもしれない。



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