愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「いらっしゃいませ」


一人の男性が私の前に通帳と出金票を出し「お世話掛けます。宜しくお願いしますね」と微笑んだ。


こんなに丁寧にお願いされるのは初めてだったので、失礼かと思いながらも男性の顔をマジマジと見つめてしまった。


仕立てのいい高そうなブランド物のスーツを着た背の高い品のある男性…


「…何か?」


穏やかな口調でニッコリ笑ってる。


「あ、いえ…お呼びしますので少々お待ち下さい」


その笑顔に一瞬、ドキッとして顔が熱くなり慌てて眼を伏せた。


ヤダ…私ったら…何意識してんの…


後ろの出金係りの先輩に通帳を渡しドキドキしながら待つ。そして戻ってきた通帳と出金が合ってるか確認する為、男性の通帳を広げると…


何?これ…


私の眼は点になり、思わず通帳をガン見していた。


一、十、百、千、万…千万…


普通通帳に五千万の残高…で、下ろした金額は…五千円って…この人…いったい何者?宝くじでも当たったんだろうか?


お客様のプライバシーに首を突っ込むのは厳禁。でも…気になる。


通帳の名前を確認し、彼の名を呼ぶが、その声は確実に震えていた。


「お待たせしました…し、新川様…新川龍司(しんかわ りゅうじ)様…」


さっきの男性がゆっくりカウンターにやって来て、また優しそうな笑顔を私に向けた。


「有難う。北沢さん」

「えっ…北沢って…」


なんで私の名前知ってるの?

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