愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「北沢さん…何か悩み事…有るの?」
夕飯をご馳走になり、寮に送ってもらうタクシーの中で大塚さんが聞いてきた。
「どうして?」
「時々、凄く寂しそうな眼してる…」
「そんな事…ない…悩みなんて…」
彼の前では、極力明るく振る舞っていたつもりなのに…
「俺で良かったら話し聞くから…北沢さんの為だったら、俺…」
少し酔っているせいか、今日の大塚さんはいつもと違ってた。今まで手を握ってきた事さえなかったのに、私の肩に手をまわし体を密着させてくる。
ゾクッ…
なぜか寒気がして鳥肌が立つ。彼は後藤みたいな悪い男じゃないと分かっているのに、体が拒否反応を示す。どうしても彼を受け入れられず、逞しい腕からすり抜けてしまった。
「…ごめんなさい」
「北沢さん…俺、そんなに魅力ない?」
「そうじゃなくて…ただ…」
「ただ…何?」
「…もう少しだけ…待って欲しい」
そう言うのが精一杯だった。もう随分、待たせてるのに…心の底から彼に申し訳ないと思った。
でも、どうする事も出来ない。やっばり、無理なのかな…
それから一ヶ月が過ぎ、窓口業務にも慣れ笑顔で接客できる様になってきた。
大塚さんはと言うと、あれから外回りの仕事が増えかなり忙しそう。新人なのに大手企業の顧客管理を任されたとか…大塚さんって、優秀なんだ。
だから、ほとんど行内で顔を会わす機会はなくプライベートで会う事もなかった。
グズグスしてたから嫌われたのかな?そう思い始めた頃だった。
私は、もう一つの出会いをする事になる…