愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

こんな時間に掛ってくる電話に出る気はなかった。龍司なら携帯に掛けてくるはずだし、私は仕事に行ってここに居ない事になっているんだから…


呼び出し音が途絶えた。でもまたずぐ鳴り出す。何度も繰り返し鳴り響く呼び出し音。


さすがに不思議に思い電話のディスプレイを覗くと、見た事もない携帯番号が表示されていた。


切れては鳴り、また表示される同じ番号に胸騒ぎがして恐る恐る受話器を取ってみると…


『真央か?』


和弥…?


『真央だよな?どうした?急に走って行ったから心配したぞ…何かあったのか?』

「何も…ない」


小さな私の声に和弥が聞き返してくる。


『えっ?何だよ?聞こえない…』

「和弥…和弥は、私と龍司が結婚したら…嬉しい?」


聞こえなかったんだろうか?なかなか返事が返ってこない。


「ごめん…もう、いいよ。じゃあ…」


受話器を戻そうとした時、和弥の声が耳に届く。


「あぁ…嬉しいよ…」

「…………!!」


その言葉を聞き、私は放心状態のまま静かに受話器を置いた。


…嬉しい?そんな…じゃあ、昨夜のあの言葉はなんだったの?和弥の胸に私はずっと居たって、あの言葉は…


その時、私はある事に気付きハッとして顔を上げた。


そういえば…あの時、私泣いてた。だから和弥は、心にもない事言って私を慰め様としてくれたのかもしれない…


あの写メだって、ホントに私の事が好きなら、他の男に抱かれた後に撮った写メなんて大事に取っておくはずないもの。ただ消すのが面倒でそのままにしてあっただけなのかも…


あのまま私が騒いでいたら、間違いなく龍司に気付かれてた…だから和弥は…


あれは和弥の優しさから出た嘘?和弥が私に言った事は、全部…嘘…?

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