愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
そして、和弥には、彼女が居る。バレンタインを一緒に過ごした大切な彼女が…
また自己嫌悪。和弥に優しい言葉を掛けられ浮足立ってた。
落胆した私は、それから何もする気になれず、マンションに引きこもり次の日も、また次の日も銀行を休んだ。それを知った龍司が久々にマンションに来てくれて理由を聞かれたけど、ホントの理由なんて言える訳がない。
「…ごめんね。心配掛けて…風邪引いたみたいで調子悪かったから…」
ダイニングテーブルの椅子に座った龍司にコーヒーを出しながら平気な顔で嘘をつく私。
「桜井の風邪がうつったのかもな…すまなかった…」
和弥の名前を聞くだけで心がザワつく。
「うぅん…でも桜井君って、龍司の事、凄く尊敬してるよね。龍司の為ならなんでもするって感じ…」
「そんな事ないさ…アイツは真面目な奴だから、俺に恩義を感じてるんだと思う。…可哀想な奴なんだ…」
龍司はコーヒーの入ったマグカップを置き視線を落とす。
「可哀想って…?」
「ん…、まぁ、真央になら話してもいいか…2年くらい前の事だ。俺がまだ九州の支社に居た頃、新しい事業部を立ち上げる事になって社員の募集をかけたんだ。
その時、桜井が履歴書を送ってきたんだが、募集したのは大卒だけ。アイツは高卒で、調理師の専門学校に通ってた。本来なら書類審査で落とすはずだったんだけどな…何か引っ掛かるものがあって面接に呼んだんだよ。
面接で、どうしてこの会社を希望したのか聞いたら…アイツ、なんて言ったと思う?」